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那智・熊野 那智滝と熊野信仰の聖地

 那智山は落差133m、日本一の大滝と呼ばれる那智滝を中心に開けた霊場であり、熊野信仰の聖地。滝壺へは飛瀧神社の鳥居をくぐって、老杉に囲まれた石段を降りていく。やがて、轟音とともに、切り立った崖から純白の布を垂らしたように落下する滝が現れる。みやげ店が並ぶ473の石段を上りきると、深い原生林に包まれた山腹に、熊野那智大社と那智山青岸渡寺がたたずむ。

 青岸渡寺は西国33カ所観音霊場第1番札所であり、参拝者が絶えない。元々は隣接する熊野那智大社と一体の神仏混合の一大修験道場であったが、明治時代の神仏分離令で寺と神社に分かれた。朱塗りの三重塔からは那智の滝の全貌を望むことができる。 熊野那智大社は本宮、速玉とともに熊野三山と呼ばれ、全国に3000社ある熊野神社の総本社のひとつ。本殿には主祭神の熊野夫須美大神をはじめ国づくりに関係の深い12柱が祀られている。

 今では山上まで車で行けるが、古え人が踏みしめた古道の雰囲気を感じたいなら、旧参道の大門坂を歩いてみるのもおすすめ。大門坂の入口では、樹齢800年といわれる夫婦杉が迎えてくれる。短いルートだが、苔生した石畳や見事な杉木立など、一歩歩むごとに那智の神域に近づいていることを感じさせる。
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